「ああちょっとキョン!」
「今度は何だ……。」
「これとあれとそれと、買い出し追加ね!」
「…………(買い出しだけで済んで喜ぶべきか…とか考えるだけ無駄だよな、やっぱり)……。」
この半月間、涼宮ハルヒ閣下の雑用係として容赦なく扱き使われていたキョンが本日の業務として命じられたのはいつものように荷物持ちなどの雑用だ。雑用だけならば(認めたくないが)随分と手馴れてきたキョンだったが、追加で命じられた買い出し品目が書かれているメモリを確認して肩を落とした。
「つーかこれ、艦内じゃ揃わないものばかりじゃねぇか。俺にどうしろと…!」
外出届と休暇申請書
「書類をお持ちしました!本日の分はこれで最後です! では、失礼します!!」
どさどさどさどさどさっと、他の書類が崩れ落ち大惨事になりかねない勢いとともに机に乗せられた書類の束を見て、キョンは顔を顰めた。
どういうことだよこれは、と書類を運んできた部下に問いただそうとしたが時既に遅く、部下の姿は部屋から消えている。なるほど、どうやら置いたらすぐ逃げろという指示が飛んでいるらしい。扉を開けて書類を置くだけ置いて敬礼をとらずにお暇するなど上司に対して取る態度ではないし、またそのような態度を取る人物でもなかったからなと去っていた部下を思い出してキョンは考える。
「まぁ、別に構いやしないけどな。」
作戦参謀などという役職を与えられてはいるが、所詮自分は他の幹部に比べれば経験も知識も圧倒的に足りない若造なのだから必要以上に畏まられる必要性はないとキョン自身は思っている。目に余るものは注意こそすれ、最低限の規律さえ守られているのであれば構わないというのがキョンの持論だ。
堅苦しいのは性に合わないんだ、といつだったか古泉に話したところ、ご自分はどうなんですかと苦笑されたことがある。成績と役職に差はあれども古泉とキョンは同期だ。だったら僕に対しても畏まる必要性はないのでは?と暗に言われたようなものだったが、それとこれは話が別だった。…というよりは、比べる次元が間違っている。
幕僚総長は、司令官の命令を実行に移すその組織のNo2だ。そんな相手に対して同じ階級ならばともかくと思いはすれど、現実はそう上手くいく筈もない。そもそも幕僚総長自身が誰に対しても非常に丁寧な話し方をするため、公式の場にてキョンが敬語を崩すわけにはいかなかったのだ。
目の届く範囲ならば構いやしない。だが、幕僚総長ともなればその配下は膨大で、ひとつひとつに目を行き届かせることなど出来ないだろう。小さな綻びでも大きな組織では致命的だ。だからこそ、"作戦参謀"であるキョンはそれを守る。そのことを古泉も分かっているから、そうしようと二人で決めた。そして決めたことをきちんと守っている。
ただし、閣下こと涼宮ハルヒに対しては例外があるのだが……それはまた別の機会にしよう。
それよりも、キョンにとって目下気になる問題はこの執務机の上に隙間もないほど山積みにされた状態である書類たちだった。先日の不祥事による処罰(とはいっても処罰にしては"処罰といえなくもない"部類に入るものだが)により涼宮閣下専属雑用係を兼務しつつの事務作業だったので滞りが出ることはキョンも覚悟していた。
――が、それにしても量が多い気がする。部下がどんどん運んでくるので涼宮閣下の元に行く以外はこの部屋から動けない有様だ。
「全く…なんなんだこの状況は…。」
正直なところ、細々とした事務作業は好きではないキョンにとってこの書類の山は試練だ。こういうものは古泉のように得意な奴がやればいいと常々思うし、この電子情報化が進んだこの世界で提出書類だけが紙媒体での処理を義務付けられているということも投げ出したくなる一因だ。だが、自分が謹慎+雑用係を兼務している間中フォローをしてくれている部下の手前そんなことも出来やしない。ああ、全くもって忌々しい。何かしらの陰謀を感じるぞ…と、思ったキョンの勘はある意味で正しかった。
がりがりと勢いよく書類に筆を入れるキョンの耳にインターフォン音が届く。
書類の山の中から端末を引っ張り出してボタンを押すと、扉前の通信機を通じて映し出されたのは先ほどの部下だった。どうやらなにかしらあって戻ってきたらしい。
「どうした、何かあったのか?」
「いえ、こちらは特に問題ありません。ただ、幕僚総長がお見えになったので、ご案内致しました。」
…………端末から顔を背け、たっぷり5秒は空白をあけたキョンは、実に嫌そうで面倒臭いといった感情がありありと見て取れる表情をしていた。このくそ忙しい時に出歩くほど暇なのか、あいつは!と心の中で罵る。そんな訳はないだろうと頭の片隅では思っているがツッコミくらい入れさせて欲しいというものだ。何しろ、部下の後ろから垣間見える古泉は非常にいい笑顔を浮かべていた。"非常にいい笑顔"だ。はっきり言って中に入れたくない。でも、部下がここにいる以上そうしないわけにはいかない。
通信機越しに溜息が聞こえたのか、部下が訝しげに声をかけなおす。
「作戦参謀?」
「ああ、すまん。お通ししてくれ。」
「はい。」
こちらです、という声が途中で途切れて扉が開く音がする。実のところ、部下の案内がなくとも幕僚総長ともなればキョンの執務室に入ることは簡単だ。黙って乗り込むことも可能なのだが、古泉は何故かそういうことはしない。少なくとも、仕事中は必ずキョンに一度連絡を入れるか、第三者を挟んでやってくる。体裁を整えるためというのもあるだろうが、絶対に入室を拒否されない方法を選んできているんだろうな本当は。馬鹿かあいつは……そんなことを考えながら本日何度目か分からない溜息をついてキョンは席を立ち、入ってくる人物を待ち構えた。
「お疲れ様です、幕僚総長。」
「こんにちは。ご機嫌は如何ですか?」
「問題ありません。どうぞこちらへ。」
「ああ、結構です。あなたが座っていて下さい。」
先程映像越しに見た時と寸分違わぬ笑顔のまま、古泉は席を譲ろうとするキョンを手で遮って、座るよう促す。案内をした部下に軽く礼を言い、持ち場に戻った後は暫くは人の出入りを控えさせてるようにと伝えている。了解しました、と部下の元気のいい返事を受けた古泉は、よろしくお願いしますねと幾分か柔らかい笑顔で答える。部下が出て行くのを確認した後、机の方へと歩んできた古泉をキョンは立ったままで迎えた。
「わざわざご足労頂かなくとも、ご用のある際はお呼び下さい。私が参ります。」
「いえ、それでは私が閣下からお叱りを受けるのでお気になさらず。」
さぁ、座ってくださいと右手の動作付きで優雅に促されキョンは ぐっ、と返事に詰まる。性格はあんなでも能力的にはピカイチ司令官であるハルヒの名前を出されるとどうにもできない。古泉はハルヒ専用イエスマンだ。キョンが直接ハルヒに言うことには何も言わないが、自分からは決して否を告げることはない。ということは、古泉が現在キョンの部屋に来て人払いを命じるということは何かしらハルヒの命令が絡んでるということになる。盛大な溜息をついてやると、古泉はオーバーリアクション気味に肩をすくめて残念そうな顔をキョンに向けた。
「こうしてまともに二人きりで話をするのは約二週間ぶりなのに、つれないですね。」
「つれないとか言うな、気色悪い!」
「酷いですね、僕はいたって本気なのですが……。」
「尚更悪い!!」
古泉の言葉が合図だったかのように、キョンと古泉の雰囲気ががらりと一変する。
まだ勤務時間中ではあるが、人払いをしたのはこういう理由もあったのだろう。他に人が居ない=誰も見咎める人はいない上に先程のやり取りに何も言わないということは、つまり……こっから先はプライベートの会話も込みということになるってことかとキョンは古泉を見返す。その視線に何ですか?とそ知らぬ振りをする古泉がやけに憎らしく思えたので職権乱用じゃねぇかとぶつぶつ言ってやると、ささやかな自分へのご褒美ですよ、なんてウインク付きで返された。そのウインクを叩き落しながら、キョンはこれ以上の追求を止めた。埒が明かない。とっとと話を済ませてこの書類の山を片付けないと自分の首を絞めるだけなのだ。
「………お前がわざわざ来るってことは、何かあるんだろう?」
「そうですね。」
「だったら、回りくどい方法は取らずに話を進めてくれ。見ての通り、俺は今現在忙しい。ハルヒが思いっきり容赦なく用事を突きつけてくるもんだから、時間が取れなくて事務作業が滞って山積みなんだよ。」
「知ってますよ。司令室の周辺はここのところ賑やかでしたからね。」
「なんなら、お前が代わってくれ。謹んで進呈する。」
「それでは処罰の意味がないって、分かっているでしょう?」
「……それについては返す言葉もないけどな。だけど既に処罰云々の次元から外れているような気がしてならん。」
書類の山とハルヒの横暴っぷりに対してぼそりと文句をつけると、古泉はくすくすと笑い出す。突然笑い出した古泉に眉を顰めるも、キョンはその笑いを止めようとはしなかった。相変わらず豪快に笑うということを滅多にしない古泉だが、先程の"非常にいい笑顔"などと比べて随分と自然な笑い方をするようになったよな、とうっかり変なところに思考が持っていかれた所為だったのだが、次の台詞でそんな感情も吹き飛んだ。
「本当に、愛されてますよね。」
「………どこをどうみたらそう見えるんだ、お前の目は節穴か。
知ってるか?今度無様な顔して戻ってきたら、あんたなんてクビだからね、クビ!と言われたぞ俺は。」
キョンが雑用係を命じられて、ハルヒの部屋へと赴いたときに聞いた一発目の言葉がそれだ。
これの何処が愛されてるって?悪いが俺にはいじめにしか感じられんと不貞腐れるキョンをみて、古泉はますます笑みを深くする。
「それはそれは。閣下らしいお言葉ですね。」
「…は?」
「わかりません?」
「お前の言ってることは大抵いつもさっぱりだ。」
「『次は必ず無事に帰ってきなさいよ、馬鹿キョン!』 ……と言ったところでしょうね。」
耳に届いた言葉を理解するまで少々の時間が必要だったらしく、行儀悪く机に肩肘を付いたままの姿勢で唖然とするキョンに向かって、古泉は一際綺麗な笑顔を浮かべて笑いかける。
「長門さんが時折あなたの元へ通信を入れるのも、朝比奈さんが経過検診に来ましたと部屋に訪れるついでにお茶を入れて行かれるのも、サボっていないかを監視している……のもあるでしょうが、それだけではなくてあなたが無理をしていないかと心配しているからでしょう? あなたは時々、閣下より無茶なことを平気でやりますからね。」
と、何でもないことのように爆弾発言を続けられ、古泉の "このくらい分かって当然です" と言わんばかりの爽やかな笑顔でダメ押しされたキョンの顔がますます唖然とした表情となり、突きつけられたその仮説に言葉もなかった。
視線を古泉に合わせると、さてここからが本題ですよと、言い何やら古泉は胸ポケットから小さなチップを取り出してキョンの机に置く。古泉とチップを交互に見てキョンは、ようやく回りくどい説明はいいから簡潔にしてくれといった言葉を古泉が全然考慮してくれていなかったらしいということに気が付いた。相変わらず、本題までが長い。
「お前……一番最初に回りくどい説明はやめろ、と言ったのを聞いてなかったのか?」
「聞いてましたよ。ですが、これから見て頂く物の意図を正確に把握するには、先程お話したことを踏まえて頂いた方が良いと思いましたので。」
「ああもういい、分かった。とりあえず見せろ。考えるのは後にする。」
「では、どうぞ。」
促され、小さなチップを手に取る。この小さなチップには映像を記録することができ、端末にセットすることによってホログラフが出現する。回線を通さずに簡易メッセージのやり取りが出来る手段として時々使われるもので、上層部では意外と重宝されているものだったりする。携帯端末にセットされキョンの目の前に映し出されたホログラフはハルヒだった。午前中に呼びつけられたというのに、まだ何かあるのか?と半ば投げやりに映像を見るキョンを確認すると、古泉は滑らかな手つきで再生ボタンを押した。元気の良い声が執務室に響き渡る。
『さっき伝え忘れたんだけど、時間がないからこれを代わりとするわ。さっき渡した追加分の買い出しの期限は一週間よ。必ず全部揃えて来なさい!言っとくけど、重要な買い出しなんだからね!あたしは忙しくて手が回らないから、古泉君にフォローを頼んどいたわ。これで手を抜いたりしたら承知しないわよ!!』
ぶっつん、と無機質な音で映像が途切れる。ホログラフにまくし立てられたキョンは頭を押さえて小さく唸った。
このメッセージを要約すると、明日には艦から降りて材料を買える所に行って、一週間以内に戻って来いということで間違いはないだろう。これで午前に命じられた追加買い出しの件については目処がたつ。それはキョンにも分かった。納得する。だが、古泉は "周りが自分を心配している" ということを踏まえて考えろと言った。そうすると、もしかしなくても、このハルヒの命令は……?
がばっと勢いよく顔を上げたキョンに、多分それで正解ですよと宿題が解けた子供を見守る教師のような態度で古泉は補足説明を始めた。
「謹慎中の始末書の提出は確かに命じました……が、あなた、自室に書類を運ばせて他の仕事もしていましたね?」
「……ああ。」
「あなたと共に前戦に向かった艦員は5日間休みだったにも関わらず。」
「前戦に赴いた者が帰還した際、休みを与えるのは義務だろう。」
「ええ。規模によっては調節が必要ですけど、誰一人として例外なく、です。」
またしても回りくどい説明をしてくれた古泉に感謝するのは不本意だが、おかげでキョンは事態を把握する。つまるところ、本来休まなくてはならない期間に仕事をしていたのがハルヒにバレて、何やってんのあいつ!ということになって、まず容赦なく扱き使ってくれた後に、仕事と称した休暇を命じられたということか。仕事はこなして戻らないと何を言われるか分かったものじゃないので、実質休めるか否かは自分の仕事次第なのだが、そこに古泉のフォロー付きとくる。妙なところでルートを持っている古泉の協力があれば、買い出しの件などあっという間だろう。至れり尽くせりとはまさにこういう状態のことを言うのではないだろうか。やることが本当に無茶苦茶な癖に、理屈が分かってしまうと納得せざるを得ないような気がするこのマジカルっぷりにキョンは眩暈に襲われた。
「と、言うわけですので。外出と休暇申請の書類のご提出をお願いします。あ、書類はここに。涼宮閣下の決済判は既に貰ってありますので、後はあなたの署名と僕の認印だけですね。」
「おいおいおいおいおい待て。ちょっと待て。」
「更にお伝えしておきますと、休暇の件は既にあなたの部下たちは皆知ってますよ?ですから、あなたへの確認が必要な書類がこうして前倒しで山積みになっているのですが、お気づきになりませんでした?」
「そんなもん知らん!!」
根回しはきっちりされている状態ですよ、と事も無げに告げる古泉に少々の殺意を覚える。
だが、既に決定事項となっているのならば覆すのも面倒だなと半ば投げやりにキョンは結論付けた。
そんなことを考えて実行にうつす暇があったらこの山積みの書類を今日中に何とかする方法を考えた方がよほど健全だ。頂けるものならば頂いておこう。これをしっかり片付けた後なら部下たちの仕事も支障が出ないし、長期の休みに申し訳ないと思う気持ちも軽くなるだろう、と開き直った。
キョンがちらりと視線を上げると完全に巻き込まれた筈の古泉は、何故かキョンの前でにこにこ笑っていて嬉しそうだ。
ああ、まだ何かあるんだなと感覚的に分かってしまったのは長い付き合い故だと思いたい。
「……で?こうなってるということはお前も来るんだろう?」
「はい。折角ですから一緒に行きましょう……と言いたいところですが、残念ながら僕は、あと4日は艦から離れられません。涼宮閣下のご命令と言えどもこればかりはどうにもならないことだったので、その件に関しては閣下もご承知です。あなたの仕事を手伝うのは少々遅れてしまいますが、出来る限りのフォローはしておきましょう。ですから……。」
「………なんだ。はっきり言え。」
「残った時間は、僕にくれませんか?」
残らなかったらどうするつもりなんだとは口に出さず、キョンは古泉を見返す。
移動を含めての一週間の休暇は長い。なるほど、どなたかが色を付けてくれたというわけだ。まぁ実際のところ、古泉のツテがなければ一週間あってもぎりぎりだっただろうと予測できるあたり、確信犯的なところがありそうだが。
ふむ、と腕を組み考える振りをする。中々返答をしないキョンを見ている古泉の顔はまるで宣告を待つ死刑囚のようだ。キョンの中で答えはもう決まっているが、それを素直に口にするには若干の抵抗がある。いいように踊らされてる気がして悔しいというだけなのだが、段々と顔色が悪くなっていく(ようにキョンには見える)古泉を見ていると幾分かすっとする。まぁいいかと思うくらいには気分がいい。
「……ひとつ、条件がある。」
「条件、ですか?」
「俺のだけじゃ割に合わないから、お前のも寄こせ。」
それで丁度いいだろう?と顔をそらして横を向く。古泉の気配が段々と浮上していくのが見なくてもわかるというのがまた何とも言えない。そして、きっと次には、整った顔を盛大に活かした笑顔でこう言うのだろうというのもキョンには予想が付いていた。
「ありがとうございます。」
「…………おう。」
随分と分かりやすくなったもんだよな、とキョンは独り言ちた。
一方の古泉は、素直ではないキョンの返事にふふふと小さく笑う。
気色悪い笑い方はやめろと容赦ないツッコミが入ったのは、この空気を切り替えるいい機会だった。
互いに机の上に山積みになった書類を一瞥すると、古泉は「さて…この書類の山を何とかしにかかりましょうか。」と少し名残惜しそうに言葉を紡ぎながら、左に積まれた処理済の書類の一角を部屋の真ん中にある広めのテーブルへと持ち運ぶ。
「僕のところへ上げる書類は全て左に置いてください。僕が目を通した上であなたの部署で見直しが必要なものは優先度の高いものからこちらへ並べていきますので後ほど検討し直すように。決裁が済んだものについてはあちらから積んでいきます。その他についてはあなたのやりやすいようにしてくださって構いません。」
「お手数をお掛けしてしまい、申し訳ありません。」
「元々そのつもりでここへ来たのであなたが気にすることはありませんよ。あなたの仕事はこの書類の山をを片付けて休暇を取ることです。もうひと踏ん張りしてくださいね。ああ、外出届と休暇申請は直ちに処理してください。」
「了解しました。」
ここからは暫く私事は挟まない。上司と部下だ。キョンの返事を聞いた古泉は満足そうに微笑んで書類へと向かう。
キョンは未処理の書類を全て右に寄せて、古泉が持ってきた外出届と休暇申請書を手に取って眺める。
随分と回りくどいやり方で命令してきたハルヒ。様子を気にかけてくれた長門と朝比奈さん。何も言わずに黙って仕事を引き受けてくれていた部下たち。そして、自分の仕事もあるだろうにわざわざここにいる古泉。
――何だかな、と思いつつキョンの胸に去来するのは紛れもない嬉しさだ。
(………土産でも探して買ってきてやろう。)
ふっと浮かんだ名案に頬を緩ませ、一週間分の日付が記載されているそれに署名を書き込み、判を押した。
射手座パロ第2弾。相変わらずの妄想捏造で無駄に長いですが、キョンは非常に愛されてます(笑)
キョンハルに見えるけど、古キョンで! 古キョン黙認の仲の良いSOS団が好きです(爆)
しかしハルヒのツンデレは使えるなぁ(笑)今度は士官学校辺りや古キョンへ至るまでの本編も書きたいです。