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「ところでお前、俺の指のサイズなんてよく知ってるな。」


俺はお前のなんぞ知らんぞ、よく買えたな。と古泉がコップ汲んできた水をベッドに零さないよう
気をつけて一口飲みながら聞いてみた。
喉が潤ってほっとする。少し痛いが、声が枯れていないだけまだマシか。
ベッドの端に腰掛けてきた古泉にコップを返すと、サイズですか?と聞き返しながら
古泉も一口飲み、近くのローテーブルに置いた。
そしておもむろに振り返ると、形の良い唇に人差し指を立てて言いやがった。


「禁則事項です。」


―――…いいか古泉。何度もつっこんではいるが、何度でもつっこむぞ。
その台詞を使っていいのは朝比奈さんだけだし、その威力を誇るのも朝比奈さんだからだ。
お前がやっても気色が悪いだけで、ときめきなんぞ生まれないからいい加減止めろ。
………便利な言葉なのは認めるけどな。
ああ、真面目に答える気がないならもういいぞ。聞いた俺が馬鹿だったしな。
どうせ機関が調べたときのデータでもあるんだろ。
そう言い返すと古泉はきょとんとした表情を浮かべた後、意地の悪い笑い方をした。


「拗ねてます?」
「どこをどう聞いたら俺が拗ねたことになるのか10文字以内に説明しろ。」
「機関に頼ったという点、です。」


……漢字を含めた字面で10文字か? 
よくやったと褒めてやりたいが、機関に頼って俺の指のサイズを知ったことなぞ理由にはならん。
そもそも拗ねてないしな。


「おや、そうですか。てっきり、僕があなたのサイズを判断しなかったことについて
 拗ねておられるのかと思ったのですが。 まぁ、でも半分当たりで半分間違ってますよ。」
「? 何がだ?」
「僕は、機関にサイズを教えてくれとは頼んでいないということです。
 昔のデータを引っ張り出したことは本当ですが、僕の手元に残っているデータから随分経ってますし
 サイズが変わっていてもおかしくないでしょう?
 自分のサイズも知らなかったので、参考にはしましたけどね。」


ずっと追いかけて、見ている手ですから、それくらいは分かりますよ、と髪の毛を弄られる。
ちなみに今の俺はベッドに顔を埋めている状況なので、後ろ髪なのであるが。
なんだこれは、新手の羞恥プレイか? 
聞くんじゃなかった、また忘れていた。
こいつが恥ずかしいことを平気で口に出来るやつだということを。
あー……全く全然悪いとは思ってないが、悪いな。俺はその辺のことはさっぱり知らん。
最初に言ったようにお前のサイズなんぞ知らんから、店で確認しろよ。


「ええ。僕は、あなたがそれを望んでくれるということだけで幸せですから。」


ああそうかい、よかったな。だがその緩んだ声を何とかしてくれ。いたたまれない。
………これじゃあ本当は、機関の力じゃなくてほんの少しだけ嬉しかったなど伝えられんな。
一生黙っていよう、このことについては。
禁則事項だ、文句あるか。






まだキョンの指にはめられてない指輪ですが、予想通りサイズはどんぴしゃで
はめた時に壮絶に恥ずかしさを覚えればいいよ!(キョンが)
さりげなく古泉のストーカー説浮上。そしてなんだこの別人なまでのバカップル…。